サザンツリーのDIY講座 板接ぎ


木工作業、家具製作で何が基本かというとどこまでが基本か難しいですが、この板接ぎは間違いなく基本のひとつと言えます。これが出来ない木工屋さんはいません。出来ないと家具が作れません。

しかし本職以外ではできない人の方が多いです。私もベランダ木工時代は集製材以外の幅の広い板はどこに売ってるのだろうと思ってました。板接ぎには手押しかんな盤と自動なんな盤という機械が必要になります(機械を使わない方法もありますが)。



これは簡単DIYとはいえませんがDIY用の手押しかんなの機械がありますので、これを手に入れることで今までの作品とは比べ物にならないほどの仕上がりにする事が可能になります。

手押しかんな盤が4万円台で自動かんな盤は6万円台で売ってますが、集塵や騒音の問題をクリアできる方限定です。使った事はないのですがけっこう大きな音がするそうです。



必要な道具


手押しかんな盤---上記の説明通り。
自動かんな盤---上記の説明通り。
端がね(クランプ)---ホームセンターで¥1,500/本くらいで売ってます。
ボンド---ごく普通の木工用ボンドです。
濡れ雑巾---はみ出したボンド拭き取ります。


1.平面


まず板の反りやねじれをなくして平面にするために手押しかんな盤で削ります。反りやねじれのきつい板は高いところを意識的に削るようにしないと、いつまでも平面にはなりません。うまく調節して削る量は最小限にしないと、どんどん薄くなってしまいます。材料が長くなるほど難しくなるので最初は短い板から始めましょう。また材料を選ぶ際は出来るだけ反りやねじれのない素直な板を選ぶようにすれば後々の作業が楽です。

安全カバーは必ず装着した状態で作業してください。写真のようにカバーを外して作業を行うと非常に危険です。


2.平面・分決め


手押しかんな盤で平面がでた面を下にして自動かんな盤に通すと木表、木裏とも平面になり接ぎ合わす全ての板の厚みが揃います。


3.板の配置


板巾約10cmの板を3枚接ぎにします。
仕上がり寸法にした時の節の位置をよく考えて、どの板とどの板を接ぎ合わせるか決めます。厳密に言うと作品にした時の木目の方向などに決まりごとがありますが・・・・・。


4.勝手墨


接ぎ合わせる板が決定したら鉛筆でしるしを付けます。勝手墨といいます。


5.木端けずり


接ぎ合わせる板と板の表面を合わせて2枚一緒に木端を手押しかんな盤で削ります。こうすることによって手押しかんな盤のフェンスがきっちり90度でなくても大丈夫です。


6.木端けずり


遅すぎず、早すぎず適度なスピードで削ります。刃から後ろ側を押さえるとまっすぐに削れないので削り始めたら刃より前側を押さえるようにします。


7.木端けずり


木端しを削った後の状態です。板と板の間の隙間がなくなりました。クランプで締め付けていません。手で軽くセットするだけでこの状態になるように削ります。


8.圧着


木端けずりが終わったら、いよいよボンドを付けて圧着します。私もそうでしたが誰もが使った事のある白い木工用ボンドは弱い、あまり接着力がない、と思っていいませんか?それは間違いです。木と木に対して正しい使い方をすれば絶対に離れないというくらい強力です。


9.圧着


セットする片面にボンドを塗ります。大量にべったり塗る必要はありません。


10.圧着


矢印のように板をスライドさせて接着面にボンドを擦り込み余分なボンドを外に出します。接着する面と面の間にボンドの膜があると強力な接着力は望めません。スライドさせているうちに固くなってきて動かなくなります。それが強力に接着できるタイミングです。


11.圧着


はみでたボンドはすぐに濡れた雑巾でふき取りましょう。かなり水分を含んだ雑巾で大丈夫です。しっかりボンドを取り除かないと後の着色オイルやステインなどに影響がでます。


12.圧着


クランプで中央部分から締めていきます。板と板の段差が生じないように調整しながら締め付けます。


13.圧着


クランプはあまり強く締めすぎなくても大丈夫です。上の写真で若干ですが板が反っているのが判ると思います。クランプを強く締めるとどうしても反りが生じますが、弱い力でも反る場合はクランプを下から(裏)からかけてください。始めから上下上下と交互にかけてもいいです。この状態で短くても半日は圧着しておきます。


14.圧着


クランプで締めるとボンドがはみ出てきます。これも余分なボンドですので濡れ雑巾でしっかりとふき取ってください。

15.圧着


半日~1日後、ボンドが乾けば板接ぎは完了ですが、若干の段差(目地)が生じます。
12のクランプ圧着の際に段差ができないようにしっかりと調整してください。

板の巾によりますが自動かんな盤を通す事ができる巾であれば、ほんの少し削れば段差はなくなりますが板の巾が広すぎる場合はオービタルサンダでとるしかありません。

本職の場合は手かんなをかけますがサンダで削れる量は少ないので段差が大きいとかなり大変な作業ですので12のクランプ圧着が重要です。

大きく段差が生じた場合はオービタルサンダのペーパーを荒目~中目~細目、と使い分けると効果的です。

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